今回は、誉田哲也さんの「ノワール -硝子の太陽-」「ルージュ -硝子の太陽-」という2作品をご紹介します。
今年に入って誉田哲也さんのジウシリーズと出会い、その面白さゆえに姫川玲子シリーズまで2か月足らずで全作読了しました^^
そんなジウシリーズ・姫川玲子シリーズには、共通のタイトル「硝子の太陽」という作品があります。
- ジウシリーズ:ノワール -硝子の太陽-(中公文庫)
- 姫川玲子シリーズ:ルージュ -硝子の太陽-(光文社文庫)
この2作品、出版社も違うし、パッと見ただけではどっちから読むのか分からないですよね。
実は、ジウシリーズ・姫川玲子シリーズの2シリーズは、きちんとした時系列があります。
もちろん、どの作品から読んでも面白いのですが、時系列順に読む事で面白さが倍増するので、せっかくならその面白さを味わいたいですよね!
※引用などによる、若干のネタバレあり。
ノワールとルージュ どっちから読むべきか
結論としては、どちらから読んでも問題ありません!
この2作品の中で順序があるわけではなく、ある事件が共通の題材になっており、互いの登場人物がクロスオーバーしている作品なのです。
同じ事件を取り扱っていますが、
- 姫川玲子シリーズを読んでいるなら、ルージュから
- ジウシリーズを読んでいるなら、ノワールから
という流れで読めば間違いありません!
ノワール→ルージュの流れもオススメ
先ほど紹介したとおり、どちらから読んでも正解なのですが、個人的にはノワール(楽天市場へ遷移します)を先に読むのをこっそりオススメしています(笑)
その理由を今からご説明します!
共通する事件とは
先ほどお話したとおり、「ノワール」と「ルージュ」の2作品は、ある共通の事件を取り扱っていますが、各作品で登場する事件はこのようになっています。
- ノワール:ある重要人物の取り調べ、覆面集団による事件
- ルージュ:祖師谷事件、28年前の未解決事件、覆面集団による事件
つまり、「覆面集団による事件」というのが2作品に共通しており、登場人物同士がクロスオーバーするポイントでもあるのです。
覆面集団による事件
この事件は、ジウシリーズの重要人物が関わる事件であり、それゆえにノワールで結末を迎えています。
ルージュの登場人物は、事件を捜査していますが、真相が解明されるわけではありません。
ですので、先にノワールを読み、ルージュでどのような捜査が行われていたかを読む。というのを私はオススメしています。
ノワールとルージュ シリーズ最高の面白さ
まるでドラマの友情出演
同じ作者の複数のシリーズ作品が交わる事ってあまり聞いた事がありませんよね?
ですが、誉田哲也さんの作品は、全シリーズ共通して曜日単位まで細かく時系列を設定しており、シリーズが違えど同じ空間の中で進んでいっているので、登場人物がシリーズを超えて交わる事も自然とできるのです。
複数の作品が交わるという事はドラマなどで度々見かける「友情出演」のような感覚であり、読者にとってはこの上なくワクワクしますね^^
共通のシーンを2度楽しめる
そしてただ交わるだけではなく、1つの作品を互いの登場人物の主観で読み進められるという面白さもあります!
本作品では様々な箇所でクロスオーバーします。
本作の1部、ルージュ(姫川玲子視点)とノワール(東弘樹視点)の掛け合いを引用してご紹介します。
ルージュの視点
- 「じゃぁ、少しお時間いただいても、よろしいでしょうか」
- 東は頷きも、かぶりを振りもしない。
- 「何か私に?」
ルージュ p260より引用
ノワールの視点
- 「じゃぁ、少しお時間いただいても、よろしいでしょうか」
- 隙のない女だ。良い意味でも、悪い意味でも。
- 「何か私に?」
ノワール p220より引用
どうでしょう?「頷きもかぶりも振らない東は、こういう事を考えていたからか!」と、相手の感情を改めて読むことができるのです。
ノワールとルージュは、何度でも読み返したくなる
私は2作品を順番に読むだけに留まらず、小説を2冊同時に開いて読みました(笑)
そして、ジウシリーズの登場人物である「小川幸彦」が好きなのですが、ルージュでも重要な場面で度々登場します。
そのため、姫川玲子シリーズの登場人物と関わる事が多く、その都度ある印象をもたれています。それがまた面白くて、シリアスな事件ものにも関わらず、笑い無しでは読み進められない作品です。
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気になる方は、是非一度手に取ってみてはいかがでしょうか^^誉田哲也作品の沼にハマる事間違いなしです!
それではこの辺で(*^^)v
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